社長ブログ

建築のあれこれ「素敵に見えた建売住宅が・・・」2021.09.03

こんなご相談も受けました。

設備等のグレードの割に値段が安く、建物の外観も環境も

気に入ったので建売住宅を購入しました。

入居数ヵ月後、初めての冬を迎えたある日、床暖房は使用

していないのに、いつもより床が暖かいのに気付きました。

今まで床暖房のある家に住んだことがなかったので、起動

させていなくても、普通より床が暖かいものかもしれない

と単純に思っていたのですが、やはり気になり床下を点検

したところ、床が暖かかったのは床暖房のためではなくて、

風呂の排水が床下に流れ込んでいたためでした。

配水管の接続がズレていて、風呂から出た温かい排水が床

下一面に溜まっていたのです。

調査をしてみると、その土地の地盤が弱いにもかかわらず

補強工事をしていなかったため家が傾き、その影響で配水

管がズレて水が漏れていたようなのです。

家そのものは気に入っているのでどうしたらよいか迷って

います、とのことでした。

建売住宅を購入する場合は外観や設備面のグレードの高さ

や見た目に目がいってしまいがちです。 逆に家の基礎や

骨組みとなっている構造などは、皆さんなかなか気に留め

にくいところですが、住む人が安全に安心して暮らすため

にはコストをかけなければならない大切な部分です。

いろいろなものに適正価格があるように、家にも適正価格

というものが存在します。家の見た目や設備のグレードが

良いにも関わらず周辺の相場よりも家の値段が安いという

ことは目に見えないところでコストが落とされている可能

性も否めませんので、買う前の段階で見えないところまで

可能な限り施工の精度を確認する必要があります。

万一買った後で気づいた場合は、すぐに売主に対して無償

での修繕を依頼します。こころある業者ならば誠実に対応

してくれるはずですので、売主の評判等も購入時の大きな

ポイントです。